2007-04-19

アインシュタインにまつわる都市伝説

日下公人氏のコラム『外国との対比で見えてくる日本精神の独自性』を読んだのですが…ちょっとヘンです。いつものように、いちいち揚足を取っていきます(笑)。
日本について外国人が語った資料としては、中世に日本にやって来た宣教師たちが書いたものが残っている。そして、明治時代になってから外国の公使や外交官が書いたものがある。

 そうしたものを読むと、だいたいは日本に対して好意的に書かれている。それは、宣教師たちは骨を埋めるつもりで日本に来て、日本で暮らしながら日本を見たからだろう。

 また明治時代の公使や外交官などは、任期が20年くらいあるのが普通だった。長く住むために、日本のことをよく勉強したという。だから好意的になったのだろう。
まあ、そういうこともあったんだろうけど、日本に来た宣教師が、イエズス会本部宛に「早く帰して欲しい」という手紙を送ったって話も聞いたことがあるし、日本以外の国へ派遣された人たちはどうだったのか、という疑問もあります。
いずれにせよ、そんなに単純に言ってよい問題ではない気がします。

後世では、「こんな素晴らしい国は世界にずっと永遠に残っていただきたい」とアインシュタインが語った話は有名だ。
この話は確かに有名です。ただし、日下氏が言うのとはまったく違う意味で、だけれども。この話は近年、作り話だという説が有力になってきています(参考:『アインシュタインの予言』)。つまり、都市伝説として非常に有名になった話なのです。

日本には、評判というシステムがある。評判で世の中が動いていくのが一番いい。日本はそれを発見して実践している。米国では、評判が立つ前にうまいことを言った人が勝つ。
んー、そうかなあ。一方的な見方だと思うなあ。だって、多くの日本人は「あるある」の嘘に騙されましたよね。あれは、「あるある」が「うまいこと言った」からだったのか、あるいは「あるある」から評判が立った結果、騙されてしまったのか。いずれにせよ、上の説を否定することに役に立っても、肯定することはありません。
間違った評判のために被害を受ける、って話もよくあります。
なんか、日本を持ち上げたいという意図が先走ってる印象が拭えません。

そのフランス語が標準語になってから、まだ数百年ほどしか経っていない。

 英国はどうか。近代英語がいつ出来たかというと、だいたい400年ほど前に、現在の英語らしくなってきたという。それは、聖書を英語に翻訳して広めたから、英語が普及したのだ。

 一方、日本語はだいたい2000年ほど前に成立したといわれている。
言っていることは間違ってないけど、近代英語を引き合いに出すなら、やはり日本だって近代日本語を引き合いに出すべきで、それなら明治時代以降、長く見積もったって江戸時代より前には遡れないんじゃないでしょうか。ならば高々400年ほど前にしかなりません。
フランス語は、ラテン語の一方言であったのは確かです。しかしそれを言うなら、現代の標準日本語だって、関東方言を元に作られた物です。
いや、日本語はその前からあった、というなら、フランス語のご先祖様・ラテン語を比較対象にすべきで、こっちは二千数百年の歴史があります。多分、現代のフランス人は、(古)ラテン語を話せないとは思いますが、これは現代の日本人が上代日本語を話せないのと同じことです。

杉山佳寿子の黒歴史?

何を隠そう隠してないが、わたくし・りょうは中学生の頃、

アニヲタ


でしたョ。
ま、当時ガンダム全盛で、ガンダムを語ってないヤツラは大抵、

横山銀蝿




ホントにチェック柄のユニフォームを着た
チェッカーズ


のファンで、センスの良し悪しはお互いに問えない世代だったということで一つ。

それはともかく、当時は空前のアニメブームで、声優名義のオリジナルアルバムが出始めていました今では声優名義のアルバムは珍しくありません
で、実は私が生まれて二番目に買ったアルバムというのが実は、

寝た子を起こせ!!
杉山佳寿子(1981)


でしたよかった、一番目じゃなくって…ちなみに最初に買ったのは、「虹伝説」高中正義(1981)です。アニヲタの癖に音楽はフュージョンというミョーな子だったのです>私
杉山佳寿子?知らない」という人でも、ハイジの声やリカちゃん電話声(初代)と言えばすぐに解るんじゃないかと。

しかし、このアルバム、彼女の公式プロフィールでは触れられていません。Wikipediaでも同様。ぐぐってもほとんど情報が見つかりません。
彼女にとって黒歴史なんでしょうか…
でも、私にとっては思い出深い作品です。

ここに曲目リストがありました。

2007-04-18

検閲: 雪天を晴らしてはならぬ?



スポーツナビ記事より。

晴らすなら「屈辱」、
果たすのは「雪辱」


です。




「雪辱」の「雪」には「そそぐ(雪ぐ)」、つまり「洗い清める」という意味があります。「雪辱」とは、「辱めを洗い清める」ということ。
一方、「屈辱を晴らす」の「晴らす」には「心の中の不満や疑いを消して気持ちをすっきりさせる」という意味があります。
「雪辱を晴らす」は、「馬から落馬」「頭痛が痛い」のような重複表現ということになります。

2007-04-13

福岡県人会: 博多五行

えー、県人会活動が滞っとります。申し訳なかです。というわけで、久々の県人会記事。

先日、

麺酒家博多五行


へ行って来たばい。結論ば先に言うと、

うまか。


のひとことたい。最近リニューアルオープンしたとか。
焦がし醤油麺と鶏塩麺を試したっちゃけど、

焦がし醤油麺は絶品


ばい。汁の表面が真っ黒やけんよぅ判らんかったけど、割と長時間麺がアツアツなとこば見ると、味噌ラーメンと同じように結構油が浮いとるんやろうけど、それが全然気にならん。焦がしの風味がもう病みつきたい。
鶏塩の方は、ちょっと味付けがしょっぱい気がするっちゃけど、これもうまか。麺は焦がし醤油と鶏塩で変えてあろぅごたぁ。
それに、

接客がよか。


気持ちよく食べられたばい。無理言って夜のメニューば見せてもらったけど、快ぅ対応してくれたばい。こりゃぁ夜のメニューも期待できるっちゃなかろうか。

あと、ここはお冷には、水の代わりにアイスティーが出てくると。アールグレイやと。これもまた素晴らしか。

ところで、調べてみると、ここは一風堂で有名な力の源カンパニーの系列店とか。さすが。でも、一風堂の味とは全然ちがうばい。いっぺん試してみらんね。

福岡県人会記事一覧
えー、デートのお申し込み、受け付けております。

2007-04-12

検閲:『ラブホで着るジンベェ』 by BOSS@探偵ファイル

探偵ファイルにBOSS企画『食う寝る遊ぶ』(またの名を「大人のスポ☆バラ」)ってのが2006年10月から始まってますね。誰かが「BOSSの面白くない記事」なんて書いてましたが(笑)、確かに面白くない記事も散見されます(大人用語)。

その企画の今日の記事がこれ>『ラブホで着るジンベェ
確かにラブホのパジャマはカッコよくない…らしい。私は公称身長178cmだけど、大体寸足らずでみっともない格好になる…んじゃないかなあ。これは賛成。

でも、これはどうか?
逆に女性の正統派は下着のみですか?(´▽`*)
えっちする前に下着でウロウロするのはもっとNG。それでムラムラするのはバリ性欲のみの青少年だけ。
で、BOSSが勧めているのは、
彼のシャツを着る。
愛らしさ、女らしさのカタチ。
なんだそうな。

確かに男物の白いシャツを女の子が着るのは

萌エェェ~


です。はい。私とホテルに入ることになってくれた際は、

是非トライしていただきたい>女性読者。


…。それはともかく、

下着姿を否定するのはいかがなものか。


確かに、恥じらいも無く下着でウロウロするのはどうかと思う。
けど、私のためにわざわざ選んできてくれた下着を愛でるのは男として当然。

ある意味礼儀


だと思う。そして褒める。下着も褒めるし、下着に引っ掛けて本人も褒める。

私もそうだが、きっとここの女性読者は

褒めると伸びる子


だと思うので。

てなわけで、これから更なる成長を望んでいる女子、私と一緒に成長してみませんか?一人で書いててむなしくなってきたョ…

ところで、こんなのとか、こんなのだったら、バリ性欲のみの青少年じゃ無くても喜びますよね。

売春施設に「レクレーション・娯楽協会」って名前を付けるすごいセンス

前の記事で思い出しましたので書いておきます。

産経の記事によると
同報告書はとくに賠償について政府間ではすでに対日講和条約や日韓関係正常化で解決ずみとの見解を示し、もし諸外国が日本にいま公式の賠償を求めれば、「日本側は戦争中の東京大空襲の死者8万人や原爆投下の被害への賠償を求めてくる潜在性もある」とも指摘した。
なんてことを心配していますが、問題はそれだけに留まりません。というのは、米国自身も日本の設置した慰安所~RAA~を利用していたからです。
RAAは日本語では特殊慰安施設協会、英語ではRecreation and Amusement Association、つまりレクレーション・娯楽協会と呼ばれていました。内容は進駐軍(占領軍として駐留した米軍)向けの慰安所、つまりは売春施設です。RAAで働く女性は、内務省の命令によって募集されました。中には、騙されたまま拒否しきれずに仕事をさせられた女性も居たそうです。

つまりは、日本政府の組織的な関与が明確で、強制性を否定できない、ということです。もし、広義であろうと狭義であろうと、強制性があればクロ、ということであれば、RAAはおそらくクロです。政府の命令があるだけでクロ、ということであれば、RAAは確実にクロです。
そして、RAAの客は、日本人ではなく進駐軍の軍人達です。実際に命令を下したのは日本政府でしょうが、米軍占領下という状況を考えれば、もし日本政府がクロなら、米国も責任を免れないでしょう。
仮に日本軍の慰安婦問題がクロだったとしても、賠償は政府間で終了していると言えるでしょうが、進駐軍の悪行は、戦後のことですから賠償問題は解決していない、とも言えます。

さて、米国政府はこのことに気付いてるんでしょうかね。

どっちやねン?>米国議会調査局の慰安婦問題調査結果

まずは、リンク先をご覧下さい。現時点では、次の三つのニュースが見えています。
産経と他の二つはまったく反対のことを言っているように見えます。どっちがホントやねン?!
まあ、中央日報はそんな新聞だし(笑)、時事通信の方は朝鮮日報がニュースソースなので、かなり割り引いて読む必要がありそうです。産経だって偏った記事が少なくないので、どっちもどっちなんですが、少なくとも、産経新聞の記事は、日本にとって有利なことも不利なことも書いていて信用できそうな気がします。
朝日あたりはどんな報道するんだろう?今から楽しみです(笑)。

米議会調査局とは、Congressional Research Serviceのことだと思いますが、少なくともOpen CRSには当該資料は置いてない様です。

2007-04-11

内田樹氏の胡乱なコラム『「軍隊なし」は平和ボケか』

朝日新聞2007年4月10日付朝刊に、『60歳の憲法と私』というコラムが載っていた。いろんな論者を迎え、不定期連載するものらしい。その第一回目は、内田樹氏だ。タイトルは『「軍隊なし」は平和ボケか』とある。ネット上に文章がないため、全文引用する。引用の際のタイプミスは、私に責任がある。
戦争の放棄をうたった憲法9条と自衛隊の不整合というのは、絶妙な政治的トリックだと思う。いわば、羊頭狗肉。羊と狗の間の不整合になんともいえない妙味がある。
9条はアメリカが日本を軍事的に無害化するために与え、自衛隊は軍事的に有用化するために与えた。アメリカの世界戦略の枠組みの中で見ればその二つの間に矛盾はない。自衛隊をつくった時に9条に手をつけなかったのは、東西冷戦のなか、「日本軍」とマルクス主義的反米ナショナリズムが結びつくことを警戒したからだ。9条という縛りがある限り、日本はアメリカにとって「安全な国」であり続ける。
しかし、日本人にとって9条と自衛隊に矛盾がないと認めることは日本がアメリカの軍事的属国だと認めることであり、日本人はそれを受け入れるだけの心理的成熟を果たしていない。そこで、政治的トリックとして、戦後日本のすべての不幸は、9条と自衛隊の矛盾から生まれているという、日本人以外の誰も信じていない「物語」を信じるという病に進んで陥ったのである。
その見返りに、日本は大きな疾病利得を得た。60年に及ぶ平和だ。
「軍隊がないから国際社会で侮られる」という改憲派のロジックを突き詰めると、いずれは日米安保の廃棄、自主核武装、米国を含むどの国とも戦争することのできる「ふつうの国」になるという結論に行き着く。日本が侮られるのは9条があるからではない。アメリカの属国だからである。侮られたくないならアメリカと手を切って「アメリカに核を撃ちこむ権利」を留保するしかない。改憲派の諸君にその覚悟はあるまい。
日本には世界に誇れるものがいくらでもある。サービスの水準は世界最高だし、「水と安全がただ」のエルドラド(黄金郷)だ。世界でも例外的な「美しい国」を60年かけて営々と築き上げてきたのである。
軍事的プレゼンスを取り戻す代わりにこの平和と生活の質を失ってもいいと改憲論者が本気で思っているなら、彼らこそ「平和ボケ」しているのだと思う。北朝鮮のような軍事国家になる覚悟がないなら、改憲は口先だけにしておく方がいい。
まず、改憲すべきと言っているのか、改憲すべきでないと言っているのか、結論が不明確だ。おそらく、最初に「憲法9条と自衛隊の不整合」に対して、「なんともいえない妙味がある」と述べているのだから、不整合ではあるが改憲すべきでない、と言っているのだろう。
ならばハッキリその様に書けば良さそうなものだが、何故は氏は結論を曖昧にしている。これにはおそらく、次のような理由があるのだと私は推測している。
氏は、日本が「国際社会で侮られて」いることを認めていて、その理由を日本が「アメリカの属国だから」だとしている。では、なぜ日本がアメリカの属国であると言えるのか、と言えば、直接には「日本人にとって9条と自衛隊に矛盾がないと認めることは日本がアメリカの軍事的属国だと認めること」だと述べている。
しかしこれは疑問だ。9条と自衛隊に矛盾があると認めれば、日本がアメリカの属国ではない、と言えるのか。そんなことは言える筈がない。氏が「9条という縛りがある限り、日本はアメリカにとって「安全な国」であり続ける」と指摘している通り、「9条という縛りがある限り」、日本はアメリカの属国なのだ。
そしてこのことは、氏が「日本が侮られるのは9条があるからではない」という主張と矛盾する。この矛盾を抱えているため、氏は結論を曖昧にせざるを得ないのだろう。

そうでない、というのなら、9条と自衛隊に矛盾があると認めれば、日本がアメリカの属国ではない、とする理由を述べるべきだ。また、認められたその矛盾を敢えて訂正しない理由も示すべきだ。氏は、それが「絶妙な政治的トリックだと思う」という胡乱な理由で肯定するのみで、具体的な理由を示してはいない。



とまあ、大筋でも曖昧で根拠の薄い主張だが、細かいところもツッコミどころ満載だ。氏は、「9条と自衛隊に矛盾がないと認めること」を「受け入れるだけの心理的成熟を」日本人は「果たしていない」と主張している。でも、それを認めることは「日本がアメリカの軍事的属国だと認めること」だとも主張している。成熟というのは、自国が他国の軍事的属国であることを受け入れることなのか。だとしたら、そんな成熟は、日本にとって好ましいものなのか。
もしそんな成熟が好ましいと主張するのなら、それを基地問題で悩む沖縄の人たちに向かって主張していただきたい。日本は米国の軍事的属国なのだから、お前らも早いとこ成熟して米軍基地を受け入れろ、と。

「政治的トリックとして、戦後に日本のすべての不幸は、9条と自衛隊の矛盾から生まれているという、日本人以外の誰も信じていない「物語」を信じる」とあるが、そんなことを信じている人は、日本人でも外国人でもごく少数だろう。どこの誰がそんなことを信じているのか教えてもらいたい。

「侮られたくないならアメリカと手を切って「アメリカに核を撃ちこむ権利」を留保するしかない」というのは、意味が解らない。もともと非核武装国家である日本には、「アメリカに核を撃ちこむ権利」などない。それを「留保」せよ、とはどう言う主張なのか。しかも「改憲派の諸君にその覚悟はあるまい」というのはさらに意味不明だ。アメリカに対して持ってもいない核兵器を使用しないことに、それほどの覚悟が必要なのか?
おそらく、「保有」の誤記なのではないかと思うが、ならば、「改憲派の諸君にその覚悟はあるまい」という推測は間違っている。今、自主独立・核武装論を主張する人は、決して多数派ではないが少なからず居る(参考)。彼らはもちろん改憲派である。

「「水と安全がただ」のエルドラド」というのも間違った認識だ。水道水は只同然だが、スーパーやコンビニには飲料水が売られており、ごく普通に買われている。安全が只だというのなら、セコムが個人向けサービスを展開することはないだろう。北朝鮮による拉致も現在進行中の問題だ。これのどこが「水と安全がただ」だと言うのか。他の国よりは安全なのは間違いないが、黄金郷を自称・自尊するほどではない。氏の意見は、よく言って誇大表現、悪く言えば妄想か時代遅れだ。

「軍事的プレゼンスを取り戻す代わりにこの平和と生活の質を失ってもいいと改憲論者が本気で思っているなら」というのも意味不明だ。軍事的プレゼンスを取り戻すのに、防衛費が極端に増大する、というのなら話は解るが、その根拠がない。日本の軍事費は、世界第四位。フランスやイギリス、ドイツよりも多い。にも関わらず、軍事費の対GDP比は、1%以下である。世界平均は3.5%程度だ。なお、日本の防衛費の中には、在日米軍の駐留費用も含まれている。
これより防衛費を増やさねばならない、というのならその根拠を述べるべきだろうし、その増大分が「平和と生活の質」を圧迫する、とする根拠も示すべきだ。

「北朝鮮のような軍事国家になる覚悟がないなら、改憲は口先だけにしておく方がいい」というのも意味が解らない。北朝鮮の例は、核を持てば軍事的プレゼンスと国際的発言力が飛躍的に高まる、という事実を示している。北朝鮮が、軍事国家であった理由は、まだ戦争中(休戦中)であるからだし、国内に睨みを効かせるのに軍隊が必要だからだ。後者はともかくとして、前者は核保有国となった今となっては無効かもしれない。一方日本は、その気になれば数ヶ月で核兵器開発が可能であるとも言われている。
以上より、日本が核兵器を保有するのは比較的簡単・短期間に実現でき、核兵器で軍事的プレゼンスが上がる分、通常兵力の削減を行うことが可能と言える。これは必ずしも軍事大国化ではないし、少なくとも「北朝鮮のような軍事国家」になる必要はない。
そうでない、というのなら、なぜ改憲が「北朝鮮のような軍事国家」化に繋がるのか、その具体的な理由を述べるべきだ。

最後になるが、「改憲派のロジックを突き詰めると、いずれは日米安保の廃棄、自主核武装、米国を含むどの国とも戦争することのできる「ふつうの国」になるという結論に行き着く」は何を言いたいのか不明だ。どの国とも戦争することができるからと言って、見境なしに戦争するわけでもないし、すぐに近隣諸国を侵略開始するわけでもない。
逆に、戦争できない、ということであれば、相手が一方的に宣戦布告してきた場合、どうするのか。国際法上、戦争は一方の宣戦布告から始まる。厳密に言えば、宣戦布告された時点で、戦争できない日本は、すべての軍事行動が不可能となる。
この問題が「絶妙な政治的トリック」でなんとかなる、と言うのなら、憲法のどんな部分も「絶妙な政治的トリック」で無視することが可能になる。そんな憲法は無意味だ。憲法を無意味なものにしたくないのなら、「絶妙な政治的トリック」などという誤魔化しは否定すべきであり、憲法は改正すべきだ。

2007-04-03

比べる対象が違うだろ?『世界初の飛行機は、朝鮮の“飛車”』

韓国情報を発信するinnolife.netというサイトのがあるそうです。このサイトのニュースで最近ネットで話題になっているのが『世界初の飛行機は、朝鮮の“飛車”』という記事。要するに、世界初の飛行機は朝鮮人が発明したのだ、という内容ですが、これが如何にトンデモかは、あちこちで言われていると思いますのでここでは触れません。
私が指摘したいのは以下の部分。
世界初の飛行機は、ライト兄弟より300年先に作られた朝鮮時代の鄭平九による“飛車”だった。
で、これにつけられている画像がこれ。

まあ、この主張が真実なら、その偉業を認めないわけではありませんが、その場合、比較されれるべきはオットー・リリエンタールであって、ライト兄弟ではありません。ライト兄弟が達成した「世界初」は、有人動力飛行(1903年)。上の絵には、動力見当たりませんから、ライト兄弟とは比較できません。
一方、リリエンタールは、ハンググライダーによる有人飛行に世界で初めて成功しました。これが1894年(一説には1893年)のことです。比較するなら、リリエンタールを持ち出すべきです。

ま、好意的に解釈するとすれば、リリエンタールなんて一般の人は知らないだろうから、ということなのかもしれませんけどね。でも多分、書いた人も知らないんでしょう。だとしたら、無知の誹りを免れません。



それはともかく、記事中の「壬辰の乱」とは、日本で言う文禄の役。つまり、豊臣秀吉による朝鮮出兵の前半戦のこと。当時は「唐入り」と呼んでいたようです。江戸時代以降には「朝鮮征伐」と呼ばれていましたが、大正時代以降、「文禄・慶長の役」という呼び名が定着ました。これは、1903年の日韓併合で朝鮮も日本となったことから、同じ国の国民に対して「征伐」という言葉が避けられた結果だそうです。