2007-11-19

船場吉兆問題で僕達が学ぶべきこと

天神岩田屋に入っていた船場吉兆で賞味期限偽造問題が発覚し、ブロイラーを地鶏、鹿児島牛を但馬牛と偽装した問題も芋蔓式に発覚した。これらの件で僕たち消費者が学ばなければならないことを考えたい。

賞味期限の偽装
この偽装によってお腹を壊した人は居ない、と言う意味で、被害者の居ない事件だ。そもそも賞味期限は生産者が定めてよいもの。日持ちがするものであれば、偽装などせずとも、長い賞味期限を生産者自身で設定すればよいだけの話。
なのだが、賞味期限が長いと、余計な保存料が使われてるんじゃないか、と疑われる(実際に入っている場合もあるだろう)。
また、小売店に売れ残った商品を入れ替える頻度を上げさせるため、賞味期限を短く設定する場合もあるようだ。商品は、賞味期限切れ間近になると、廃棄されて、新しく仕入ることになるためだ。これは要するに、まだ食えるものを捨てろ、と命令していることになる。もったいない。

地鶏や但馬牛の問題
消費者のブランド信仰がこの問題を生んだと言ってよいだろう。食ってみて旨ければそれでいいのに、旨い上に但馬牛でないと満足しない、なんて発想だ。いや、食ってみて不味くても、但馬牛なら満足、って発想かもしれない。同レベルの味・品質・安全性なら、値段は安い方がいいに決まってるので、安い方を買おう、という当然の仕組みが働かないのがブランド信仰ってやつだ。

そもそも、肉の産地なんか偽装されたら素人にはまず判らない。食肉のプロだって、食べただけで完全に判断できるものではない。松阪牛辺りにはDNA鑑定が可能(参考)だが、DNA鑑定にしても万能ではなく、例えば加熱加工食品になったら判定不能だろう。それ以外の牛も固体識別番号がついているが、肉と番号が組合せが正しいかを見分ける方法はなく、悪意の偽装にはほとんど無力だ。
そんなわけで、産地と言うのはいくらでも偽装可能。そんなものを信仰するのは、今や鰯の頭を信仰するのと選ぶところがないのだ。

ただ、消費者にも簡単に判ることはある。それは肉質だ。簡単に言って、肉質がよいということは、食って旨いということだ。細かい段階の差はわからないかもしれないが、少なくとも等級1と等級5の差はは食えば判る。プロになれば、見ただけでも判定できるはずだ。そういうものに拘るのが賢い消費者と言えるのではないだろうか。

先にあげた固体識別番号システムは肉質については何も保証していないので、この意味でも役立たずだ。

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