2007-02-15

「自分らしい自分が好き」と「恥」

僕らの世代は、個性、「自分らしさ」というものが重要な価値である、という教育を受けてきた。多分、僕ら以降の世代も同じだろう。アフラックのTVコマーシャルの「今の自分が一番自分らしくて好きです」とか、スマップの「ナンバーワンよりオンリーワン」(作詞は槇原敬之)とかは、こういう教育の成果だろう。

一方、日本の文化は恥の文化である、と言われている。恥とは、現実と理想の差を目の当たりにしたときに発生する感情だ。理想に達しない自分を心苦しく思う。これが「恥」だ。

「自分らしい自分が好き」と「恥」は、言わば正反対の価値観だ。「自分らしい自分が好き」は、ともすればまったく理想を持たず、現状追認しかない堕落に陥る可能性を持っている。「恥」はその逆に、理想に達しない自分を完全否定することに繫がりかねない。お互いが並立し、補完しあわなければ、うまく行かないものではないだろうか?

しかし、最初にも書いた通り、僕ら以降の世代は、「自分らしい自分が好き」を強く刷り込まれている。このことが、様々な歪を生んでいるのではないだろうか?

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